「ネットビジネスの論文の内容が知りたい」と思っている方は多いのではないでしょうか?
ですが
「論文を読むのは面倒だ、そんな時間はない」
という方の為に、ネットビジネス論文の解説をしていきます。
この記事を読むことで、ネットビジネスの論文の内容を知ることができますよ。
では早速
- ネットビジネスの論文(国内)
- ネットビジネスの論文(海外)
について詳しく解説していきたいと思います。
ぜひ最後まで読んでみて下さいね。
ネットビジネスの論文をまとめてみた
ネットビジネスの論文を検索してみると数多くの論文が出てきます。
「ネットビジネスの論文をまとめた記事はないの?」
と思っている方もいるのではないでしょうか?
そんなあなたの為にこの記事では、ネットビジネスの論文をなんと6つもまとめました。
「1つ1つ検索するのは面倒だ、そんな時間はない」
という方にぴったりではないでしょうか?
それではどうぞご覧ください。
ネットビジネスの論文(国内)
ネットビジネスの論文の中で、まずは国内の論文について解説していきます。
その中でも下記の論文についてまとめました。
- インターネットのビジネスへの影響に関する再検討【大﨑 孝徳】
- インターネット広告の現状と将来性についての研究【渥美 友貴】
- ビジネスモデル研究の論点と展望【足代 訓史】
- ネットビジネスのイノベーション・プロセスと企業間競争【高井 文子】
- 日本におけるビジネスモデル研究の現状に関する序説的考察【張 輝】
それでは1つずつ解説していきます。
インターネットのビジネスへの影響に関する再検討【大﨑 孝徳】
では
『インターネットのビジネスへの影響に関する再検討【大﨑 孝徳】』
こちらの論文について解説していきます。
ポイントは以下となります。
- インターネットの普及について
- 高度情報通信社会
- eコマース(電子商取引)の進展
- ICTのマーケティング
- まとめ
それでは早速解説していきますのでご覧下さい。
1995年、インターネットはほとんど普及していなかったことはご存知でしょうか?
しかし2009年末時点では、インターネットの人口普及率は8割に迫り、幅広い層において利用率が半数を大きく上回りました。
さらに日本においては、ブロードバンド化の進展や携帯電話によるインターネットの利用という特徴も確認できます。
このように今日の日本では、1990年代半ばより、頻繁に使用されるようになった〝高度情報通信社会〟という言葉が具現化してきているのです。
1997年のインターネット利用者は1千万人程度で、普及率は1割にも満たない状態でした。
しかしながらその後、急速に普及し、2002年には半数を超え、2009年においては1億人弱、8割の人が利用するように。
年代別に見ると、13〜49歳の利用率が9割、6〜12歳及び50〜69歳でも5割を大きく上回っており、極めて幅広い年齢層において利用されています。
今日の日本において、インターネットは幅広い年代に普及しており、さらにモバイル化、高速化の進展も確認でき、高度情報通信社会が実現していると言えます。
2009年末においてインターネットによる商品・サービスの購入経験がある消費者は53.3%と半数を超えています。
こうした企業及び消費者のeコマース(電子商取引)への強い傾向は市場規模にも如実に表れているのはご存知でしょうか?
2000年における企業・消費者間eコマース(電子商取引)は市場規模8240億円、EC化率(電子商取引化率)0.3%にすぎませんでしたが(電子商取引推進協議会・アクセンチュア2001.1.31)、2009年には6兆7000億円、2.1%にまで成長しています(経済産業省2010.7.20)。
こうしたデータを見ると、1990年代後半より始まったeコマース(電子商取引)は約10年を経た現在、本格化してきていると言えるでしょう。
ICTが経営やマーケティングに与える影響について、例えば、稲葉さんはこう指摘しています。
「コンピュータと通信システムが結合し、情報ネットワークが普及したことにより、1980年代以降、ITの世界は激しい変化のときを迎えることとなり、その結果、経営活動に関して、下記6点を生じさせた」
- 情報活動における空間距離の克服
- 情報活動における速度限界の克服
- 情報の広範な同時共有
- 組織編成・組織間編成の新展開
- 情報受発信の双方向化
- 情報ネットワーク基盤経営の成立
こうした事態は経営理論に大きな影響を与えるとしながらも、今後の経営理論が過去を継承し発展するのか、それとも過去と断絶し転換するのかについては、稲葉さんは発展派のスタンスに立っています。
この論文の目的は、eコマース(電子商取引)創成期とも言える2000年頃に盛んに議論された〝インターネットビジネスへの影響〟に関して、インターネットが広く普及し、幅広い世代の人々が日常的に利用することが当たり前となった今日の高度情報通信社会におけるeコマース(電子商取引)の実態を踏まえ、再検討することでした。
そして、2010年頃を基点にeコマース(電子商取引)の実態、消費者の動向を踏まえ、インターネットのビジネスへの影響について考察されています。
もちろん、今後もeコマース(電子商取引)に取り組む企業への個別訪問面接調査、消費者の意識や動向に関する質問票調査を行いながら、インターネットがビジネスに与える影響について継続的に考察していく次第とのことです。
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『インターネットのビジネスへの影響に関する再検討【大﨑 孝徳】』
インターネット広告の現状と将来性についての研究【渥美 友貴】
では
『インターネット広告の現状と将来性についての研究【渥美 友貴】』
こちらの論文について解説していきます。
ポイントは以下となります。
- インターネット広告とは
- インターネット広告がなぜ急速に成長をしてきたのか
- インターネット広告の種類
- インターネット広告の利点や問題点
- インターネット広告のこれから
それでは早速解説していきますのでご覧下さい。
インターネット広告またはオンライン広告と呼ぶのが一般的です。
- 狭義では有料メディアを介した商品やサービスなどの宣伝を意味する。
- 広義では広報や自社サイトにおけるコミュニケーションも含まれる。
2005年の日本の総広告費は5兆9625億円、マスコミ四媒体広告費はそのうちの61.2%であり、やはり大きな割合を占めています。
インターネット広告の市場規模は、1999年の時点では、日本の総広告費のわずか0.4%で241億円。それが、2005年時点では日本の総広告費の4.7%となり2808億円となりました。
つまり、インターネット広告にかける費用は1999年から2005年の6年間でおよそ12倍近くもの成長を遂げたのです。
電通総研の試算によると、2009年のインターネット広告費は5660億円にも達するという結果も出ているようです。
私たちは商品を買う際に、いろいろな情報を必要とし、同じ値段であれば、より性能のいいものを求めます。
実際の店舗へ商品を買いに行った場合、その店舗の値段と他の店舗の値段をすぐに見比べることはなかなか難しいいのではないでしょうか。
また、同じ値段であっても、よりより商品があるかというのもなかなか把握できない場合が多いです。
しかし、インターネットを利用すると、商品に対する情報を自ら調べることで知ることができます。
さらに、実際に商品を使っている消費者による「評価」なども知ることができ、商品を売っている立場の意見だけでなく、消費者の意見も参考に出来るのは大きなポイント。
また、各店のサイトやメーカーサイトを見れば、値段と機能の違いをすぐに調べることが可能です。
さらにオークション等を使えば、さらに安くいい商品を見つけることも。
このようにインターネットの検索機能は、よりよい商品を安く買いたいという消費者にとって、利便性が高いです。このことがインターネットの普及につながり、インターネット広告が注目される要因となっています。
インターネット広告には様々な種類が存在することはご存知ですか?
それらを大きく分類すると「WEB広告」、「メール広告」、「モバイル広告」の3つに分けられます。
具体的には、横長の画像をページの上下等に表示をするバナー広告や、検索エンジンによって検索されたときに自社のサイトが上位にリストされる仕掛けのリスティング広告(検索連動型広告)の2つが代表的でしょう。
もちろん企業等のWEBサイトもWEB広告となりますし、そのほかにも、アフィリエイトプログラムと呼ばれる個人のホームページを利用した広告なども含まれます。
「メール広告」には主に米国で発展したメーリングリストを元に広告文のダイレクトメールを送りつける「DM型メール広告」と、日本で発展した「メールマガジン型メール広告」があります。
DM型は当初メールを受け取ることをユーザーが許諾していない場合が多く、やたらと欲しくもない情報が一方的に送られてくるので「スパム」と呼ばれ、ユーザーに嫌われました。
その後ユーザーに一定のジャンルの広告情報であれば受け取ることを許諾してもらい配信する「オプトインメール」が登場し、2000年になってブレイクし始めることになります。
若年層にユーザーが多く、「常に持ち歩いている」という点から、細かな時間や場所を限定した広告を打てるという特徴があるのはご存知ですか?
モバイルの発展は目まぐるしく、各キャリアの新機種の投入により、接続速度の高速化と大容量化が進んでいます。そういった面でも、これからもっと重要な広告媒体となっていくことが期待されるでしょう。
メリット
WEBサイトというものは、インターネット環境が整ってさえいれば、全世界からアクセスができます。
したがって、インターネット広告を掲載することで商圏というものは無限です。
インターネットを駆使することで、商圏が限られている状態では死に筋といわれる商品、ニッチ商品であっても収益を上げられることもあるでしょう。
コスト面だと、テレビや新聞等の他メディアに比べ、インターネット広告にかかる費用が安価です。
ターゲットを絞り込みやすいという面だと、既存のメディアは不特定多数の人々に訴えかけることしか出来ませんが、ネット広告の場合は、特定多数の興味のある人間に向けて広告を打つことが可能となります。
顧客データを取得できるという面では、特にメール広告の場合となりますが、メルマガ等に登録をしてもらえば、それだけで顧客のメールアドレスといった情報を取得することも。
そうすることで、確実に興味を持っている顧客へと広告を打てます。
また、効果の判定・検証がしやすいという利点も。
これまでの広告は、実際に商品が売れなければ、どれほどの効果があったのかということを知りえませんでしたが、インターネット広告の場合はアクセス解析やバナー広告効果測定などの方法で、効果を図ることが出来ます。
アクセス分析をすれば、どれだけの消費者が広告を見てくれているかがわかりますし、バナー広告効果測定では、どのようなバナー広告を掲載すれば商品購入につながるかということを知ることが出来ます。
デメリット
デメリットは、クリックがそのまま購買につながるとは限りません。
インターネットは手軽に情報を得ることが出来ますが、情報収集に利用し、実際にインターネット上で購入に踏み切ってもらえるとは限らず、そのまま購入にはつながらない場合も多いです。
また、直接顧客にメールを通し広告を送ることが出来、効果的な面もありますが、迷惑がられてしまう恐れも。
さらに競争相手が多いため、目立たちません。
インターネット広告は、掲載される場所によっても効果が変わってきてしまいます。
検索連動型等は、上位に表示されれば、効果も大きいですが、競争相手の数が多く埋もれてしまい、効果が上がらない場合もあるでしょう。
また、日本のパソコンユーザーは年々増加しているとはいえ、2005年時点でおよそ7372万人であり、まだまだ普及していく余地があります。
特に、インターネットの利用者層を見ると高齢者層の利用率は低く、高齢者の女性には特に訴求しにくいということがわかります。
インターネットの普及に伴い、人々は自分から進んで自ら情報を得るという行動に出るようになってきました。
そのような行動に伴い、検索結果に応じて、広告を表示する検索連動型広告はもっと市場規模を伸ばしていくでしょう。
さらに、消費者同士の口コミによる購買活動も活発化します。ブログなどを使った口コミ広告の効果もより期待されます。
また、コンテンツのばら売り化が進んでいくと考えられます。
実際に、インターネットにおける動画配信サービスが広まってきており、すでにインターネットで番組を配信しているサービス、パソコンテレビGyaoや、ミランカといったものがあることはご存知ですか?
さらに、ニュースも必要な情報のみをネットで探せば済むという状況に近づいてきています。
これまで消費者は、テレビや新聞、雑誌といったものによる企業から一方的に送信される情報を受動的に得てきましたが、能動的に情報を得ようという行動が目立ってきているのです。
このような動きはこれからより顕著になっていくでしょう。
そうなった時に、テレビや新聞といった既存メディアの存在は現在とは比べ物にならないくらい小さなものになっていく恐れがあります。
もしくは存在意義をもたなくなるでしょう。
そうなった場合、他のメディアは要らなくなり、インターネットのみの時代が来るのではないかと筆者は考えています。
まだまだ信頼の面からいって既存メディアに及ばないインターネットですが、将来的にインターネットが人々により認知され、信頼を得たとき、四媒体をはじめとする既存メディアの価値はなくなり、それらに出稿される広告は価値を持たなくなるのではないでしょうか。
そして、広告がインターネット広告だけになる日が来るかもしれません、と筆者は述べています。
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『インターネット広告の現状と将来性についての研究【渥美 友貴】』
ビジネスモデル研究の論点と展望【足代 訓史】
では
『ビジネスモデル研究の論点と展望【足代 訓史】』
こちらの論文について解説していきます。
ポイントは以下となります。
- ビジネスモデルとは
- 既存のビジネスモデル研究について
- インターネットビジネスのビジネスモデル
- ビジネスモデルと技術マネジメント、イノベーション
- ビジネスモデル研究の論点と展望
- ビジネスモデルとビジネスシステム
- まとめ
それでは早速解説していきますのでご覧下さい。
ビジネスモデルとは、実務的には事業として何を行い、どこで収益を上げるのかという「儲けを生み出す具体的な仕組み」のことを指します。
経営学分野の既存研究においては、価値創造を目的とした事業の仕組みの設計図としての側面が強調されてきました。
また、特に日本に置いてビジネスモデル研究は、「ビジネス(事業)システム」研究と並行しつつ、欧米を中心とした研究とはまた異なる展開を見せているのはご存知ですか?
これらビジネスモデル概念を巡る趨勢は以下を求めるでしょう。
ビジネスモデル研究の分析視角を整理することと、日本における研究の論点を加味したうえで上記の視角の再検討をおこなうことです。
Zott、Amit and Massa(2011)は、ビジネスモデル概念を用いた論考が研究者コミュニティのみならず実務の世界においても爆発的に増加している現状を鑑みて、先行研究の整理を試みました。
彼らは、近年におけるビジネスモデル研究の増加とビジネスモデル概念の定義の多様化を指摘しつつ、既存のビジネスモデル概念は大きく分けて3つの現象を読み解くために用いられてきたと整理しました。
それらはすなわち、下記の3つを指します。
インターネットビジネスとは、事業活動を電子的に(インターネット上でまたはインターネットを用いて)おこなうことを意味します。
その代表例は、Amazon.comのような電子商取引やB2B取引で活用される電子市場(eマーケットプレイス)を指します。
1990年代中盤以降のインターネットに代表される情報技術の急速な発展は、単純に企業のビジネスの方法を変えるのみならず、企業とそれに関係する供給業者や顧客との関係のあり方など、ビジネスの仕組みのデザインに大きな影響をもたらしたことはご存知でしょうか?
そして、ビジネスモデル概念への注目を集め、関連研究が増加するきっかけとなります。
ビジネスモデル概念は技術マネジメントとイノベーションマネジメントの範疇においても用いられてきました。
そこにおいては、2つの考え方が中心であったとされます。
それが、下記の2つです。
技術マネジメントとビジネスモデルの関係、そしてビジネスモデルイノベーションに関する研究は、下記を主張するものであったといえます。
第一に、ビジネスモデルは事業活動におけるインプット(多くの場合、技術)と経営成果とを結びつけるもの。技術の商業化にビジネスモデルが果たす役割はまさにこの典型です。
第二に、ビジネスモデルは、収益獲得の方法や顧客への価値提案(value proposition)の見直しを通じた、事業に革新をもたらす方法。
また、革新の対象そのものとしても位置付けられます。
例えば、アップル社の iPod ないし iPhone のビジネスモデルは、既存のアップルのビジネスからの転換を迫るものであったし、iPhoneそのものも常に革新の対象と位置付けられています。
Zott、Amit and Massa (2011)は、ビジネスモデル概念は、さまざまな経営の分野や文脈において、異なった研究課題を説明するために用いられてきたということを主張しています。
異なった研究課題とは、下記の3つになります。
そして彼らは、ビジネスモデル概念はこれら3つの分野を橋渡しして発展してきたのではなく、それぞれの分野の中において概念化が進行してきたことと、その結果、ビジネスモデル概念の捉え方に多様性がもたらされたことを指摘しています。
ビジネスシステムとは、「経営資源を一定の仕組みでシステム化したものであり、一度の活動を自社で担当するか、2社外のさまざまな取引相手との間にどのような関係を築くか、を選択し、分業の構造、インセンティブのシステム、情報、モノ、カネの流れの設計の結果として生み出されるシステム」のことです。
ビジネスモデルとビジネスシステムの違いを以下に見出します。
ごく簡単にいうと、ビジネスモデルが設計図であり、ビジネスモデルが設計の結果できあがるものです。
こちらの論文では、以下のビジネスモデル研究の論点と展望を導きだしました。
まず、ビジネスモデル研究は下記の3つを明らかにしました。
また、研究の今後の展望としては、ビジネスモデル概念を「どのようにビジネスをおこなうのか」を体系的に説明するために用いることと、ビジネスモデル概念は、価値の獲得と価値の創造の双方を説明できることを認識することの2つに重点を置くことと、「ビジネスモデルの変化のメカニズムを明らかにすること」という日本のビジネスモデル研究において意識されている今後の研究課題を検討していくことをこの論文では提案しています。
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ネットビジネスのイノベーション・プロセスと企業間競争【高井 文子】
では
『ネットビジネスのイノベーション・プロセスと企業間競争【高井 文子】』
こちらの論文について解説していきます。
ポイントは以下となります。
- 非製造産業における研究
- 先行研究の理論的な検討
- まとめ
それでは早速解説していきますのでご覧下さい。
イノベーションがどのようなプロセスを経て進んでいくのかという点に関しては、いくつかの有用なモデルが示されてきたことはご存知ですか?
なかでも Abernathy and Utterback (1978)は、一つの産業の発展過程を、プロダクト・イノベーションとプロセス・イノベーションの発生頻度の組み合わせによって特色づけ、流動的な段階からより固定的な段階へと変化していくと論じました。
しかし、幾つかの例外的かつ先駆的な研究は見られるものの、非製造業におけるイノベーション・プロセスを取り扱った研究はそもそも数が少ないです。
そこでこの論文では、非製造産業を対象として下記の2点についてドミナント・デザインが登場する前後の時期に特に焦点を当てて、限定的ではあるものの実証的な検討を行うことにより、上述のギャップを埋めたいという考えがあります。
- 企業レベルでのプロダクト/プロセス・ イノベーションの採用がどのようなパターンを描きながら進んでいくのか
- これに伴って産業や競争の様相、企業の業績にどのような影響が及ぶのか
非製造業におけるイノベーション・プロセスを扱った数少ない例外が、 Barras (1986)と Barras (1990)です。
彼は、幾つかの非製造業(銀行、保険、会計、行政) における先端的な情報通信技術の導入プロセスを観察し、製造業におけるものとは反対方向のイノベーション・プロセスのパターンを観察しました。
これら Barras の研究では、非製造業において、ラディカルなプロダクト・イノベーションが出現するまでは A-U モデルと逆のパターンで、それによって新市場が立ち上がって以降は A-U モデルと同様のパターンで、それぞれイノベーション・プロセスが進行するという、二段階のプロダクト/プロセス・イノベーション採用のパターンが見られると論じられています。
この論文での分析対象とする、日本のオンライン証券市場を検討すると、Barras の逆 A-U モデルの第三段階において生起 したラディカルなプロダクト・イノベーションの結果として生まれた新市場であり、それゆえに、新市場の誕生以降のイノベーション・プロセスは A-U モデルと同様のパターンで進行するでしょう。
また、以上は産業レベルでの話でしたが、企業レベルでのイノベーション・プロセスも、A-U モデルと同様のパターンを描くものと考えられます。
日本経済の中で急速に存在感を増しつつあるサービス業において、A-U モデルと同様のイノベーション・プロセスの進行パターンを確認できたことは、理論面での最大の貢献だと筆者は考えているようです。
また研究の議論は、実務的にも意義があると考えられているよう。
なぜなら、サービス業、中でも変化のスピードの速いネットビジネスの世界において、イノベーションのプロセスが、仮にラフにではあっても A-U モデルと同様のパターンを描いて進行する可能性が高いのであれば、企業は事前に準備を行って、それぞれの段階に合わせた様々な施策を適切に打ち出すことが可能だからです。
特に、ドミナント・デザインの採用が進み、産業が流動期から移行期へと転換する前後では、戦略転換のタイミングとスピードが、その後の企業業績を左右し、 ひいては大規模な淘汰過程を凌いで次の段階での急成長に繋げることができるかどうかの決定的な分かれ目に。
したがって、そうした転換点がいずれ訪れることを事前に想定し、いざそうなった場合の備えを怠らないようにすることが大切なのです。
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『ネットビジネスのイノベーション・プロセスと企業間競争【高井 文子】』
日本におけるビジネスモデル研究の現状に関する序説的考察【張 輝】
では
『日本におけるビジネスモデル研究の現状に関する序説的考察【張 輝】』
こちらの論文について解説していきます。
ポイントは以下となります。
- ビジネスモデル論に関する研究
- 筆者の考察
- 今後の研究課題
- おわりに
それでは早速解説していきますのでご覧下さい。
ビジネスモデルという用語は、1990年代中盤から後半のITの進展に伴って広く米国で普及しました。
日本においても、2000年10月にビジネスモデル学会が発足された頃から注目が始まり、実務界をはじめ活発な議論が見られ、ついに学会においても多様な研究結果が発表されるようになりました。
しかし、ビジネスモデル論に関する研究はいま、下記に関する全体的レビューはほとんど存在しません。
この論文では、2001 年から2016 年6 月現在発表されたビジネスモデル研究関連の論文を対象に、日本におけるビ ジネスモデル研究の現状を俯瞰しようと、後述する前提での現状整理を行うとともに、この現状に対する筆者の考察を加え、ビジネスモデル研究の全体的レビューに役立てたいとの考えがあるようです。
ビジネスモデルの研究といえば、ビジネスモデルの構成要素をめぐる研究は多く、 下記の2つの視点に大別することができます。
近年において、ある特定の時点におけるビジネスモデルの構成要素の明確化に当てられる「静学」的ビジネスモデル論のほか、そもそもビジネスモデルには時間軸や変化といったダイナミックスにかかわる性質が備えており、これに応じて考えようとする「動学」的ビジネスモデル論も提起されている(吉田、2011、張、2012、根来、 2014)と同時に、既存の成功したビジネスモデルに対する「分析論」だけではなく、如何にしてビジネスモデル を構築していくかという「構築論」も提起されてきています。
今後のビジネスモデル論のあり方について考える場合、企業は今後どのような方向へ競争していくかを予測する研究も踏まえて検討するのがよいだろうと筆者は考えているようです。
研究者等の立場や視角、方法や経験によって提示される見解は多様に存在しますが、示唆に富んだ考え方の根底にある共通なキーワードも存在する、と理解できます。
ビジネスモデルは、人間中心の柔軟で創造的な思考様式と、顧客への提供価値やマネタイズの手法の設計などの先端的な事業化のデザインファクターが一体となった高度な概念であるだけに、その体系化に向けてはビジネス最前線の洞察と多様な分野のアカデミアによる検証・理論化が不可欠である、と指摘されています(平野、2016)。
これはまさに今日において大きな課題の一つである、 と筆者は共感。
ビジネスモデルをキーワードとする諸説の「繋がり」、収益モデルや事例から理論への昇華などという思考の「深まり」、さらにはビジネスモデルのイノベーションをもたらす要因の一つとなる先端技術の実用化を踏まえた研究の「広がり」、といったところを念頭に入れたビジネスモデル論が追求されるなら、学界にとっても実務界にとっ ても期待する研究になるだろうと締め括ってます。
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『日本におけるビジネスモデル研究の現状に関する序説的考察【張 輝】』
ネットビジネスの論文(海外)
「ネットビジネス論文の国内編についてはわかったけど、海外はどうなの?」
と思っている方もいるのではないでしょうか?
ですが
- 「英語は読めないよ」
- 「翻訳するのは面倒だな」
という方もいらっしゃると思います。
そこで、そんなあなたの為に、ネットビジネス論文の海外編もおまけとして1つ解説致します。
ご紹介する論文はこちら。
- 『倫理と社会的責任-ボーダレスネットビジネス倫理に関する学際的および国際的な研究の課題【Amos Nascimento】』
ぜひじっくりご覧下さいね。
倫理と社会的責任-ボーダレスネットビジネス倫理に関する学際的および国際的な研究の課題【Amos Nascimento】
では
『倫理と社会的責任-ボーダレスネットビジネス倫理に関する学際的および国際的な研究の課題【Amos Nascimento】』
こちらの論文についてまとめていきます。
- 抄録
- 序章
- 問題点
- 結論
それでは早速解説していきますのでご覧下さい。
筆者の目的は、倫理理論の基本的な概念をいくつか提示することで、次のようなことができるようになることです。
この考え方を発展させるために、キーとなる考え方を紹介します。
また、談話倫理学の研究を行い、グローバルでボーダレスな組織の研究を特徴づけ、また研究や教育を促進するネットワークを構築し、最後にコミュニケーションがどのように発生するかを議論します。
20世紀に入り、情報に応用された技術が次々と登場しました。
放送、通信全般。
ラジオ、電信などのこれらの技術。
電話、テレビ、ファックス、コンピュータ、インターネット、他の多くの人の間で、今形づくられています。
私たちの社会は、現実との関わり方や自分自身との関わり方を変えてしまいました。
個人的にも集団的にも伝統的で標準的なアカウントの進歩と開発はこのプロセスを非常にポジティブに捉えています。 この全くの楽観的な見方を超えて、これらの影響に関する多くの研究が行われています。
一方では、現在進行中の社会学的・哲学的研究がこれらの技術の意味と影響を説明するでしょう。
情報技術、記号論、コミュニケーション技術、情報通信テクノロジー、コミュニケーション学、ネット学など、様々なアプローチがあることを証明しています。
その一方で、課題を認識するようになってきており、問題を抱えていました。このような認識のもとに、人間を導くより応用的な倫理学の探求が進められてきました。そのプロセスを筆者は考察しています。
「ボーダレスなネットビジネス」と定義し、高等教育の具体的な領域と関連づけました。
高等教育の分野では、オンライン教育、遠隔教育などの用語があり、仮想教育、教育技術、新技術の重要性の高まりを確認しました。
大学は間違いなくボーダレスになり、授業や限界を超えてキャンパスだけでなく、衛星やインターネット接続、テレビなどを利用して、国境を越えたところにも進出するでしょう。
技術機器の出現は決して新しいものではありません。
実際のところ、技術は人間の印で、文明化のプロセスです。このように、火の発見、狩猟目的での石の利用、発展したフォーク、ナイフ、箸、印刷の出現、自動車の発明などがあります。
私たちはこれらの技術装置を使用していますが、使っていることをあまり反省したり、疑問に思ったりすることなく、毎日のように当たり前のように使っていることでしょう。
新しい技術を高等教育に応用することの問題点は何でしょうか。
その問題が何であるかについて、下記4人の哲学者たちの考えをまとめました。
- プラトンはすでに、技術(テクネ)よりも技術(テクネ)を重要視するグループに疑問。
- デカルトは、人体を機械的な機械と定義。
- マルティン・ハイデッガーは、テクニークの広範な影響力について論じる。
- テオドール・アドルノはアメリカにおける「文化産業」と呼ばれるものの危険性を研究。
これらの著者を追うと、個人主義、資本主義、植民地主義の出現が見えてきます。
どの価値観が、影響を受ける新しいグローバルな状況、文脈、モデルに対応できるのかを筆者は再考します。
ボーダレスなネットワーク情報通信技術によって高等教育の分野はこれらの課題に免疫がないわけではありません。これらすべてが、コンピュータ科学のための倫理の必要性につながっています。
情報研究、テレコミュニケーションにおけるインターネット利用。
それにもかかわらず、開発しようとするときに忘れてはならないものが、コミュニケーションの実践の重要な要素です。
ボーダレスネットビジネスのためのエシックス(倫理学)、カール=オットー・アーペルが開発したコミュニケーション倫理はこの点で重要な指針となります。
倫理観や社会的責任があることを特徴とするものが教育分野です。
すべての特徴は、集団行動のための重要なツールとして、以下のことを示しています。
社会的責任を推進するための仕組みはすでに整っていて、そのための仕組みを構築することが、社会的責任を果たすことにつながる。
コミュニティの参加者間のコミュニケーションは良い原則だと思います。
また、筆者は次のように考えています。
「ボーダレスネットビジネスの学際的・国際的研究」はその一歩としての方向性を示しているのではないかと。
リンクはこちら
『倫理と社会的責任–ボーダレスネットビジネス倫理に関する学際的および国際的な研究の課題【Amos Nascimento】』
まとめ
ネットビジネス論文の内容がわかったのではないでしょうか?
この記事は
「ネットビジネスの論文の内容が知りたい」
という方に向けて執筆しました。
特に、下記の方の参考になったかと思います。
- ネットビジネスの論文を複数読みたい
- ネットビジネスの論文を読みたいけど長そうだし時間がない
- ネットビジネスの論文の海外編も読んでみたい
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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